2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

このシリーズは基本的に原作を読んでる人が楽しむものなんだろうなあと思う。原作ファンにとってはこれでも短すぎるくらいだと思うが、原作をほとんど読んでないような人(私もそう)にとってはむしろ長すぎる。恐怖とかダークな側面を今回演出で出そうとし…

シュレック2

字幕版。子供客は吹き替え版に流れたらしく観客は大人中心。この映画で出てくる童話や有名映画のパロディを楽しめるのは大人だろう。フラッシュダンスのパロディが出てきたときに即座に反応している客(私もそうだが)は二十代後半から三十代前半かな、たぶ…

69 sixty nine

冒頭、米軍基地のフェンスを乗り越えようとするケン(妻夫木聡)の躍動感、佐世保弁独特の柔らかな音とイントネーション、そこに重なるクリームの「ホワイトルーム」、ここでいい映画に違いないと確信する。ケンとアダマ(安藤政信)が走る場面はすべていい…

スチームボーイ

フィクションにおける機械と人間の関係というと最近は人間の意識がコンピューターのネットワークと接続する「電脳」が決まったパターンになりつつあるが、19世紀イギリスを背景にしたこの映画では人間は「手」でねじを回したりバルブを閉めたりして機械と…

ブラザーフッド

英語のbrotherよりも漢字の「兄弟」という言葉のほうが主人公二人にはふさわしい。父がいない家庭で、兄はもっぱら弟の保護者として振舞う。自分の妻子よりも親兄弟を尊重するような道徳観にやや戸惑うところもあるが、兄の命を懸けた徹底的な自己犠牲の精神…

ラブドガン

やくざ、殺し屋、銃とくれば派手な活劇を想像してしまうが、この映画での銃は運動感を画面にもたらすというよりも、むしろ心理的な装置のように思える。暴力団のような「集団」は背景に退き、撃ち合いはほとんどの場合一対一の対決という静的な構図のなかで…

スパイダーマン2

一作目で魅力的だった、スパイダーマンの振り子運動での空中移動は今回も心地よい。最近の特撮映画では人間に重さが感じられない場合が多かったのだが、サム・ライミ監督は重力を観客に感じさせるための演出をしている。ピーター・パーカー(トビー・マグワ…

ロスト・イン・トランスレーション

「翻訳」はしばしば異言語間での意図の食い違いを招くのだが、この映画の主人公の男女が孤独感にさいなまれるのは日米間の意図の食い違いだけが原因ではない。ボブ・ハリス(ビル・マーレー)の場合、仕事と家庭の両面で自分の居場所を失いつつある。妻との…

スイミング・プール

今まで決まりきったパターンの人気推理小説を書き続けてきた女性作家が、いらだちを男性編集者にぶつけ、彼は自分のフランスにある別荘を利用して創作に励むことを提案する。 作家としても、女性としても自らの性的な側面を抑圧してきた、あるいは抑圧するこ…