2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

甘い人生

フィルム・ノワールの陰影に富んだ画面に、ブラックスーツに身を包んだ直線的な顔立ちのイ・ビョンホンはよく似合っている。主人公のソヌが住む世界は濃い影が支配的な裏の世界だが、ボス(キム・ヨンチョル)の愛人であるヒス(シン・ミナ)の周りには、時…

Shall we Dance?

日本版を見ている人には文化の違いを考えながら見ると面白い映画だ。アメリカ版で好印象なのは夫婦間のやりとりが大人の男女のものであることだろう。日本版では夫が妻にダンスを教える場面で夫の態度はぎこちなく、子供の助けをかりなくてはならない。もち…

インファナル・アフェアⅢ

確かなものと思われていた善と悪の境界線が、「潜入」の存在によって揺らぎだす。潜入の仕事を全うするためには、相手の世界に染まってしまわなければならない。善の側の潜入は、凶暴な悪の仕事をこなすうちに、内にある凶暴性をコントロールできなくなる。…

コンスタンティン

物語の中に人間、天使と悪魔、そして神という三つの階級がある。(ただし神は登場人物としては登場しない。)主人公のコンスタンティンは人間だが、人間界に入ってこようとする悪魔を追い返す悪魔祓いである。コミックを原作としているが、ちゃんとキリスト…

大統領の理髪師

タイトルにある「大統領」という言葉が示すように、政治が主題になっているが、直接的に政治的メッセージを主張する映画ではない。政治を見つめる視点が常に低く設定されていて、そのことが映画にユーモアをもたらしている。例えば、ナレーションは理髪師の…

ナショナル・トレジャー

宝を追いかけていたグループが仲間割れして二つに割れてしまい敵対関係になる。独立宣言書を守る役目の女性研究員(ダイアン・クルーガー)と、盗み出す主人公(ニコラス・ケイジ)はもちろん最初は敵対関係にあるが、やがて行動を共にすることになる。宝探…

またの日の知華

原一男監督初の劇映画。「堕ちていく女性の一生」と要約できる物語の中で描写されている、観念的な女性像に対する違和感を最後まで持ちながら見た。堕ちていく過程をよりドラマチックにするために、少女時代の知華を、不幸の影を負っているが「まだ汚れのな…

エターナル・サンシャイン

いつもは文芸映画などでヨーロッパの女性を演じることが多いケイト・ウィンスレットが髪を派手に染めた、衝動的に行動する女性クレメンタインを演じ、いつもはアドリブを交えて早口でしゃべりまくるジム・キャリーが自分について多くを語らない無口な男性ジ…