2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

アイランド

車がひっくり返ったりやたらと物が壊れたりするアクションシーンはいままでのマイケル・ベイ監督の映画とあまり変わらない。面白いのは臓器移植をテーマにした脚本のアイデアである。 我々が相反する二つの欲望を抱えながら生きていることをこの物語は観客に…

姑獲鳥の夏

現実認識の脆さに関する京極堂(堤真一)の長い薀蓄から始まるこの映画は、関口巽(永瀬正敏)が現実感覚を失っていく様子を、かなり特殊な演出方法で表現しようとしている。画面を斜めにしたり逆さにしたり回したり、特殊なレンズで撮影したりしていて、あ…

逆境ナイン

原作は未読。笑いのタイミングを演出するのは難しい。監督やCG製作者が笑わせようと意図したところ、特にセリフが巨石になるところは、テンポが遅すぎて観客の笑うタイミングとずれてしまう。実際には堀北真希や田中直樹がセリフを言った瞬間に客は笑ってい…

スターウォーズ エピソード3 シスの復讐

シリーズ全体に言えることは、どんな窮地も冗談を交えながら切り抜けてしまう楽天性と、親子が善と悪に分かれて対立するという悲劇性が両方存在するということだ。旧シリーズでは楽天性のイメージのほうが強かったと思うし、悲劇性を体現するような役者は(…

フライ、ダディ、フライ

風を切って走り空へと舞い上がるというテーマは作品全体に見られる。映画の冒頭で、打ち上げ花火が上がっている空から地面を這うように進む電車を見つめる視点から映画は始まる。電車には主人公の鈴木が乗っているが、仕事に疲れた彼には空を見上げる余裕も…

宇宙戦争

戦争という言葉から、兵士たちが二つの陣営に分かれて撃ち合うゲーム的な戦争をイメージする人が多いだろう。観客はどちらかに感情移入し、自分の攻撃衝動を満たす。しかし、ここで描かれているのは、そのような戦闘の脇で右往左往し、破壊と殺戮から逃れよ…