予言

 前半、子供を失った主人公の心理描写や夫婦関係の描写に時間を割いているのだが、夫婦が恐怖新聞の謎を追うプロセスに、例えばリングのような切迫感がなく、間延びした感じになってしまっている。リングのように死への明確なタイムリミットが設定されていないのが原因だろうか。そして恐怖に打ち勝とうとする夫婦愛や家族愛のテーマ自体も、予言された死に脅え続けるというプロセスがもっと強調されていなければ、引き立たない。
 時間軸が混乱して主人公が様々な場面に放り込まれる一連のシークエンスはスピード感があってなかなかおもしろい。また、テレビではニコニコ笑っている小野真弓を一度も笑わせず、最後にああいう場面で使うのにもちょっとびっくりした。