ヴァン・ヘルシング

 ドラキュラ三人娘(B級映画らしい安っぽいセクシーさがいい)が上空から村を襲撃し、それをヴァン・ヘルシングヒュー・ジャックマン)が高速連射できるボーガンで迎え撃つ場面はシューティングゲームのようなスピード感があって楽しい。建物や谷間の高低差を生かしたアクション、馬車の疾走など、空間を十分に使ったアクションが連続する。ただ、設定やストーリーに面白い点はあまりなく、アクションの間に挟まれるシーンにはほとんど見せ場はない。
 特撮のモンスターのすばやい動きを見た後でケイト・ベッキンセールが胸をゆらしてドタドタ重そうに走るのを見るととても怪物に勝てそうにないとか(というか今まで生き残ってたのが不思議)、三人娘とその父親のドラキュラ伯爵(リチャード・ロクスバーグ)が、悪役のくせに無駄口が多くていつも詰めが甘いとか、他にもツッコミ所が色々ある。こういうところを欠点として腹をたてるんじゃなくてツッコミながら楽しめる人にはお勧めのポップコーンムービー。
 しかしこれを映画デビュー作として選んだバレエダンサーのウィル・ケンプは、何を基準にして出演作を選んでいるのか謎。普通に話すより吠えてる時間のほうが長いのに。