トロイ

 

前方の真ん中の席を確保しラッキーと思っていたら前後左右を中年女性のグループに囲まれた。シネコンのこじゃれた座席指定サービス。何か隣の人ハンカチでずっとわきの下の汗拭いてるんですけど・・・。トイレのためロビーに出てみると、ブラッド・ピットのポスターの前に立って中年女性の3人組が記念撮影している。たぶんスキャンダルもこんな雰囲気なんだろうなあ。

 

原作ではしょっちゅう戦争に介入する神々の存在を省いて、人間の戦争として映画化している。戦場で活躍するアキレスとへクトルはブラッド・ピットエリック・バナが鍛えた肉体を誇示して演じている。(無駄に上半身裸のシーンが多かった・・・)ただ、軍を指揮する両軍の王のキャラクターが薄っぺら過ぎて、アガメムノンなんて原作の片鱗もない悪役になっていた。こんなのに指揮されてたらアキレスじゃなくてもやる気をなくす。アガメムノンとアキレスの対立は原作でも面白い要素の一つだが、映画ではアガメムノン専制君主というよりバカな上司程度にしか見えないのでいまいち盛り上がらない。もちろん指導者がいつも立派だとは限らないのは当然だが、残酷でも愚かでもいいからもう少し存在感を持たせてほしかった。

 

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