猿の惑星(バートン版)

 もうすぐ「ビッグ・フィッシュ」も公開されるということで、ティム・バートンの「猿の惑星ASIN:B00006YXXW
」をDVDで見直してみました。

 一度見てるので新鮮な感動はないんですが、わりとおもしろい。公開時の評判はあまりよくなかったみたいですが、類人猿たちにうまい役者たちを起用してるので表情の微妙な変化を見ているだけで楽しいです。特にヘレナ・ボナム=カーターの類人猿が主人公に対してみせるはにかんだ表情がよく、主人公の兵士、人間の女性、類人猿の女性の三角関係が互いの視線のやりとりで演じられる場面は奇妙だけどおもしろい(これは蓮実重彦がどこかで指摘してたと思います)。しかもこの三角関係のなかで男性は受動的で、色気を漂わせているのは二人の女性のほうです。主人公が自ら望んだわけではないのに救世主の役割を担わされてしまい、創世神話の神話的人物のように周りからみなされていくという設定も悪くないと思います。

 SFファンが好むような描写は少ないし、戦闘シーンも最近の映画と比べるとおとなしめなので、物足りない人もいたのかもしれませんが、むしろ普通に会話してるシーンなどが結構ちゃんと演出されてると思いました。ただそのきっちりと演出された普通の演技をあのメーキャップでやるところがなんか奇妙なんですが。

 ビッグ・フィッシュは評判いいみたいだし楽しみです。早く見たいなあ。